鳳宍小説

□声を聴かせて
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「宍戸さん、俺いつでもまってますから」


「……なにを?」


「なにを…?ってわかってるじゃないですかぁ〜」


はいわかってます。
今日はおれから押し倒してくれと……そういうことですよね鳳長太郎君。


宍戸は会いに来てくれた鳳をもてなすために自分の部屋へと招き入れた。

そして約束どうりお茶とお茶菓子を出してもてなしたのだが少し雑談して
話の話題も尽きてそういう雰囲気になってしまった矢先のことであった。

まぁ、お約束通り鳳は宍戸のベッドの上で足を延ばしリラックスしている。


「長太郎……」


「なんですか?」


「なんで俺からなの?」


いつもなら鳳の方から宍戸が嫌がっても迫ってくるというのに今日は逆のようだ。

だから質問したというのに鳳はあっけからんと答える。



「俺を求めてる宍戸さんがみたい」


まっすぐ宍戸の目を見て答える。
その顔はいつもの『宍戸さん!宍戸さん!!』と後ろを追ってくる鳳とは違い
獲物を狙うような鋭い男のまなざしだった。

____カァァァ

宍戸の顔が真っ赤になった。

鳳は宍戸がこういう率直な言葉が苦手だということを知って言っているのだろうか。
だとすると余計達が悪い。


「クソッ…。今日だけだからな……」


宍戸は諦めたように言い突き放すと手に持っていた麦茶のグラスをテーブルに置き鳳の膝へとまたがった。


「本当に今日だけだからな!」


「はい。今日だけです…ね」
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