鳳宍小説

□声だけなんて
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今日は土曜日。

久しぶりに部活がなく、かといってテニスをしたいかというと別にそうではない。
だから宿題をしよう!と思っても今回に限ってない。

兄貴とゲームしようと試みたがデートと言ってたし親は親戚の家へ出かけると言っていたし、家に居るのは宍戸亮一人だ。

宍戸は、激烈に思った。


暇だッ!!!


もう朝の10時を回ったのにまだ一歩もベッドがら動いてない。
昨日寝たときにきていた短パンとTシャツも
日差しをあびて汗をかいているというのに着替える気も起きない。


その時宍戸はひらめいた。


そうだッ!!電話しよう!!

と。

宍戸はおもむろに立ち上がり机の上に乱暴に置いたテニス雑誌の山を床に放り投げて
その下から携帯を取り出した。


宍戸は無残に下に散らばったテニス雑誌の山からお気に入りの一冊をもってベッドに腰を下ろす。
そして手なれたようにいつもの番号を押す。


プルルルル…プルルルル…プルルルル…がちゃ、


『はい、鳳です』

「よぅ!!俺だ。暇なんだけど」


宍戸は持っているテニス雑誌をベットの端の方に投げて
ぶっきらぼうに今の現状を的確に説明した。



『宍戸さんですか?暇って言われてもなぁ〜…』


宍戸の”俺だ”だけで誰だか分ってしまう鳳はすごいものだ。
流石氷帝一のバカップルとうたわれるだけある。


「今からうち来いッ!!!」


『誘ってくれるのは嬉しいですけど、今姉の子供のお守をしていて…コラッ!!』


そういえば、後ろから子供の声が聞こえる。
喋り方からして…5歳くらいか…。
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