世界の物語

□第16.5話「流れ星」
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リィアナの様子にうなだれるロイドとジーニアス。




ガイ「…」





しかし、ガイは怒ったような困ったような顔つきを崩さなかった。


リィアナはそんな青年の顔を伺いながら尋ねる。





リィアナ「怒ってる?」



ガイ「ああ、怒ってるさ」




はっきり告げられ、リィアナは微かに表情を曇らせる。


そんな少女に、ガイは厳しい顔つきから一変して疲れた表情を見せて手の平で自分の顔を覆う。





ガイ「……本当に心配したんだぞ…」




リィアナ「ごめん、ガイ」





素直に青年の顔を見て謝る。

顔を覆った手の平の隙間から、こちらを見る青年の目が優しくなる。


その目から怒ってないという意思が伝わり、リィアナは彼の横にいるロイド、ジーニアスに目を向けた。




リィアナ「心配かけてごめんね」




ロイド「…まぁ、こうして無事だったんだし、いいって」


ジーニアス「そうだよ、何もなくてよかったよ。さぁ船に戻ろうよ、みんな待ってるんだから!」


リィアナ「うん」




ジーニアスに手を引かれバンエルティア号に向かう。

ロイドはジーニアスとじゃれあうように前を歩き、隣を見ればガイが肩を並べて歩いている。



リィアナの視線に気付いてガイは彼女に穏やかに笑いかけた。



いつものガイだ。


だが、どこか吹っ切れたような顔の青年。






ロイド「おおっ!!流れ星だぜ!願い事願い事…!」


ジーニアス「もう流れちゃってるんだけど…」


ガイ「おっ、また流れたぞ」


ロイド「何お願いしようか…」


ジーニアス「や、だから流れちゃってるんだけど…」







はしゃぐ彼らを見て、空を仰げばまた一つ、一瞬輝く星が流れていく。








リィアナ「みんながずっと幸せでありますように」















第16.5話・終
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