世界の物語

□第16話「出会い」
2ページ/5ページ







リィアナ「あ…」



プレセア「…どうかしたんですか?」




ピンクの髪を二つに結んだ女の子が突然、通路ですれ違ったリィアナが声を漏らしたことに尋ねる。


少女の名前はプレセア・コンバティール。

何らかの影響を受けて喜怒哀楽の感情を失ってしまったナパージュ村の女の子。


今回クラトス、ジーニアスと共にラルヴァの調査に出ていた一人で小柄な身体からは想像できない力の持ち主であり、身の丈程の斧を軽々と扱ってしまう少女だ。



心配してくれているのだろうか、その顔からではわからないがリィアナは首を振った。




リィアナ「なんでもないよ、大丈夫」


プレセア「そう、ですか…何かあれば言ってください」


リィアナ「ありがとう、プレセア」




プレセアは何故かリィアナに初めから懐いていた。

理由はプレセア自身もわからないとのこと。



何度も気にしながら少女はリィアナを見ながら部屋に入って行った。




それを見届けて、リィアナはベルトに備えていたポーチの中身を見る。





リィアナ「………え」







そして少女にしては珍しく目を見開いて固まった。







(ない)





ポーチの中身を何度確認してもやはりない。




財布がなくなっていた。







リィアナ「港…」




思い当たるのは港。

そういえば帰る間際からベルトのポーチに違和感があった。

財布を盗られていたのだ。




(取り返さないと)





思うと同時にリィアナは船の出入口に向かっていた。









次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ