世界の物語
□第9話「アドリビトム」
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目を輝かせてカノンノは自然と踵で身体を揺らし、喜びを表す。
カノンノ「わぁ!これで堂々と動けるね!」
チャット「なんだか今まで悪いことしてたみたいな言い方はやめてください!」
ルカ「うん!人の目を気にしないで済むね!」
チャット「ちょっと!!貴方たち!!」
はしゃぐ(?)三人を置いておいてという風にジェイドがキールとリィアナに向き直る。
ジェイド「ギルドの名前を考えてみたのですが…【アドリビトム】というのはどうでしょう?」
ギルド名の提案だ。
聞き慣れない単語に眉をひそめたキールだがすぐに思い出したのか顎に手をやりながら呟く。
キール「【アドリビトム】…古代神官語で――」
リィアナ「【自由】」
キール「なっ…!?」
ジェイド「……」
ぽつりと紡がれた言葉にキールが構わずリィアナに詰め寄り少女の肩を掴んだ。
キール「…なんでお前が知ってるんだ!!!」
青年の声にカノンノ達が何事かとリィアナたちを見た。
肩を掴まれリィアナは首を振るばかり。
リィアナ「わから…」
キール「『わからない』わけないだろ!?古代神官語なんて普通に暮らしていて知るものじゃないんだぞ!!」
リィアナ「あの…」
キール「『わからない、記憶がない』って言うつもりか?本当は最初から記憶があるんじゃぁ…!!」
カノンノ「――― キール!!」
少女の肩を掴んでいた青年の手を振り放してカノンノがリィアナを庇うように間に入る。
カノンノがキールを睨みあげた。