世界の物語
□第8話「守る」
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「――」
「―、――」
カノンノ「 ! 話し声だ」
リィアナ「誰だろう?」
洗濯物を干し終えた二人が機関室の前を通り掛かると話し声が聞こえ、リィアナとカノンノは顔を見合わせて部屋に入る。
中にいたのはチャット、ルカ、キール、そしてジェイドの四人。
キール「で、あんた達を襲ったのは海賊だったのか?」
キールの問いにジェイドは首を振る。
ジェイド「いいえ、我々の船を襲ったのは【ナディ】というテロ団体ですよ。海賊よりも性質が悪い、ね」
チャットを見てため息をはくジェイドにチャットの顔が明らかに歪む。
今にもキレそうなチャットを宥めながらルカは「ナディ…?」と呟いてジェイドを見上げる。
ルカ「聞いたことあるよ。マナ、だっけ、世界樹が生み出した全ての生命の源」
トクン…
リィアナ「…?」
一瞬胸が熱くなる感覚にリィアナは手をあてる。
(マナ、世界樹…)
ルカ「そのマナを信仰する宗教団体はたくさんあるけど【ナディ】はちょっと過激というか何というか…」
ジェイド「その通りです」
ルカの言葉にジェイドは頷いて眼鏡を直す仕種をして話し出す。
ジェイド「【ナディ】はマナ消費の抑止を訴える環境保護団体です、我が国グランマニエはマナによって発展した世界有数のマナ消費大国ですからね」
カノンノ「…ということは、ジェイドたちが狙われてたのは…」
ジェイド「ええ、お察しの通りです」
◯