世界の物語
□第4話「歓迎会」
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リィアナは素直に扉に向かう。
扉は自動で開かれ、いつものように彼女が足を踏み入れた瞬間―――
パンッ!!!
パンッパンッ!!
「「「「ようこそバンエルティア号へ!!」」」」
リィアナ「―!?」
複数の弾ける音とワァッと沸き上がる歓声。
気がつけばリィアナの回りには紙吹雪が舞い、それらは頭、肩に降りかかる。
リィアナ「え…」
いきなりの展開に思わず間の抜けた声が零れる。
綺麗に飾り付けられた食堂にテーブルに並べられた豪華なご馳走。
そして、クラッカーを持って笑顔で出迎えるファラとルビアにパニール、カイウス、ルカ、照れ臭そうにクラッカーを持っているキールとイリア。
リィアナ「これ…どうしたの?」
リィアナの発言を予想していたのか部屋にいた全員が笑う。
すると後ろから見守っていたカノンノとリッドが背中を押す。
リッド「お前の歓迎会だよ」
リィアナ「歓迎、会?」
カノンノ「黙っててごめんね、リィアナを驚かせたかったの」
ポカンとしている少女にチャットがテーブルに誘導して真ん中の椅子に座らせた。
チャット「その…お昼頃、誤解を招くような発言、すみませんでした」
頭を下げるチャットにイリアが横からだるそうに口を開く。
イリア「そーそー。フォロー大変だったんだから」
チャット「そのフォローで『あたしじゃ無理だわ』と真っ先に逃げたあなたにだけは言われたくないんですが」
イリア「そうだったかしら♪」
素知らぬ顔のイリアにルカが代わりにチャットに頭を下げて謝っている。