世界の物語

□第2話「記憶喪失」
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???「―ッ、」





キ…ンッと頭を刺激する音が響いたかと思うと、目覚めるきっかけになった声の言葉が過る。





『リィアナ…―』






あの声が発した言葉。

確認したわけではないのに何故か自分のことを指す名前だと思った。








リィアナ「ーーリィアナ…私の名前は、リィアナ」






ぼそりと紡がれた名前をカノンノは聞き逃さなかった。





カノンノ「…リィアナ、いい名前ね」





笑顔でリィアナと呼ぶカノンノに、不思議と頬が綻ぶ。





リィアナ「カノンノも、いい名前」


カノンノ「…ありがとう!」





二人が笑いあい打ち解ける様子を見て、パニールも自然と笑顔になる。

羽をパタパタと羽ばたかせリィアナに近づく。





パニール「あなた空から降ってきたの、ここの甲板にね」


リィアナ「空、から…?」





きょとんとするリィアナにカノンノとパニールは顔を見合わせる。






カノンノ「覚えて…―」


「お目覚めのようですね」





言い切る前に部屋の扉が開き、新たな人物がリィアナの前にやってくる。


褐色の肌に金髪のショートヘア。

トレードマークといわんばかりの、しかし不似合いなパイレーツハット。

いや、まだ被りこなせてないと言った方がいいだろうか。





「ようこそ、バンエルティア号へ。ボクはチャット、ここの船の船長です」





誇らしげに。

言動等はしっかりしているけれど、間違いなくカノンノ、もちろんリィアナよりかは明らかに年下だろう。




カノンノ「名前、リィアナっていうんだよ」


チャット「ふむ」


リィアナ「…?」





パニールと同様にチャットもリィアナの姿を見る。
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