世界の物語

□第24話「両親」
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リィアナ『私にお父さんとお母さんはいるのかな』












カノンノ「――どうして?」




突然だった。

意外なリィアナの問い掛けにびっくりしながらもカノンノは伺う。


その場にいたクレスやチェスターも話を聞いていたからか、リィアナを見ている。








リィアナ「どうしてだろ?そう思ったから?」










(“両親”というのがわからない)









どう声をかけたらいいのか、そもそも少女は何故そんなことをいきなり尋ねてきたのか。


カノンノは俯く。


それは今の彼女にも当て嵌まるようなことだから。
だが彼女を育てたパニールは両親がいると断言してくれた。

だからいるんだと信じてこられた。


リィアナは?

記憶がなくなっているリィアナのことを知ってる人はいない、少女の両親が生きているかもわからない。

どう声をかけていいのかわからずカノンノは淋しそうにリィアナを見る。

いつも元気をくれる少女に何も言えない自分がカノンノは悔しかった。











チェスター「ばっかだなぁ、お前」










リィアナが後ろに顔をやり、腕を組んで立っているチェスターが呆れた顔をする。




チェスター「親がいなかったらお前、今ここに存在してないんだぜ?」



わしゃ、と少女の髪を軽く撫でて青年は笑う。



チェスター「お前はいるだろ?」




クレスも横から声をかける。



クレス「そうだよ、記憶がないのは聞いてる、そう思うのは仕方ないかもしれない…でも君のお父さんやお母さんはきっといるよ」




静かに聞いていたリィアナは彼等の顔を交互に見て、カノンノは弾かれたように顔をあげると力強く少女の手を握る。
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