世界の物語
□第21話「村を捨てた青年たち」
1ページ/6ページ
瞼を開ければ見慣れた天井。
頭痛や目眩もなくなってはいるが、どこか身体が重く感じるのは気のせいではないだろう。
寝ていた身体を起こせば、やはり自分の部屋。
リィアナ「?」
(どうやって部屋まで戻ってきたんだろ)
ふと、横を見ると赤い髪の青年が椅子に座ったまま、腕や顔はベッドに突っ伏して寝ていた。
なんで彼がここにいるのかわからずリィアナは首を傾げる。
リィアナ「ルーク、ルーク」
青年の肩を優しく揺さ振れば、彼は軽く身じろぐ。
(寝てるのを邪魔したくないけど)
ルークが布団をちゃっかり握っていた為、起きるに起きれない。
リィアナ「ルーク」
最後に強く揺さぶると、彼の閉じていた目が薄く開く。
少女の姿を捕らえて、ルークの目が見開きガバッと勢いよく顔をあげた。
ルーク「リィアナ、大丈夫なのか!?」
リィアナ「うん。ルークなんだね、運んでくれたの」
ルーク「あ、いや…あ、ああ…リィアナ軽かったし、…じゃなくて…」
頬を赤らめながら話すルークにリィアナは彼の頭をおもむろに撫でる。
ルーク「!?」
リィアナ「頭、撫でられると落ち着かない?」
ルーク「落ち着くわけないだろ!?お、俺、戻るからな!!!」
異常な動揺と顔を赤くしてルークは軽く躓きながら部屋を出て行った。
リィアナ「私は落ち着くんだけど」
◯