世界の物語

□第21話「村を捨てた青年たち」
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瞼を開ければ見慣れた天井。


頭痛や目眩もなくなってはいるが、どこか身体が重く感じるのは気のせいではないだろう。



寝ていた身体を起こせば、やはり自分の部屋。






リィアナ「?」



(どうやって部屋まで戻ってきたんだろ)






ふと、横を見ると赤い髪の青年が椅子に座ったまま、腕や顔はベッドに突っ伏して寝ていた。


なんで彼がここにいるのかわからずリィアナは首を傾げる。





リィアナ「ルーク、ルーク」





青年の肩を優しく揺さ振れば、彼は軽く身じろぐ。





(寝てるのを邪魔したくないけど)





ルークが布団をちゃっかり握っていた為、起きるに起きれない。





リィアナ「ルーク」





最後に強く揺さぶると、彼の閉じていた目が薄く開く。


少女の姿を捕らえて、ルークの目が見開きガバッと勢いよく顔をあげた。





ルーク「リィアナ、大丈夫なのか!?」



リィアナ「うん。ルークなんだね、運んでくれたの」



ルーク「あ、いや…あ、ああ…リィアナ軽かったし、…じゃなくて…」





頬を赤らめながら話すルークにリィアナは彼の頭をおもむろに撫でる。





ルーク「!?」


リィアナ「頭、撫でられると落ち着かない?」




ルーク「落ち着くわけないだろ!?お、俺、戻るからな!!!」





異常な動揺と顔を赤くしてルークは軽く躓きながら部屋を出て行った。





リィアナ「私は落ち着くんだけど」








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