世界の物語
□第16.5話「流れ星」
1ページ/2ページ
リィアナ「あ、バンエルティア号」
無事に財布を見つけ、港から少し離れた海岸に停泊しているバンエルティア号に帰って来たリィアナ。
太陽が海に沈みきる寸前で、淡い橙から星空の青が少し混じった黒い空へグラデーションされていた。
パシャ、パシャ…
浜辺をブーツで歩くたびに音が鳴る。
水が跳ね、咄嗟に片足の膝を軽く曲げて水を避ける。
(さっきの…ユー…リ、とエス…テル??)
パシャ、
(なんでだろ、また出会う気がする)
「リィアナ!!!!」
リィアナ「…?」
バンエルティア号の方から大声で名前を呼ばれ、顔をあげれば、船の前で立っている影を見つける。
(あれは)
見慣れた顔ぶれにリィアナは駆け足で自分を呼んだ所まで走った。
リィアナ「みんな、ただいま」
「「「『ただいま』…―――じゃない!!」」」
リィアナ「??」
いきなり怒鳴られて、わけがわからずキョトンとするリィアナ。
停泊しているバンエルティア号の前にいたのはロイド、ジーニアスそしてガイ。
リィアナ「?帰ってきたら『ただいま』じゃない?」
ロイド「いやー…『ただいま』でいいんだけど…じゃなくて!!!」
ジーニアス「姿が見えなくなったから、皆心配してたんだよ?」
ジーニアスの言葉で、みんなに黙って船を出て行っていたことに気づく。
(そういえば言うの、忘れてた)
◯