世界の物語

□第16話「出会い」
1ページ/5ページ



あれから真っ直ぐ船に帰ったリィアナとガイ。

だが、明らかにガイの様子が港での出来事からおかしい。




リィアナ「ガイ?」


ガイ「え、あ…ああ、俺は機関室に行ってくるよ」




一切、目を合わさずに足早にその場を去った青年。





(やっぱり用事があったのについてきてもらったの怒ってるのかな)




ルーク「ガイの奴、一体どうしたんだ?」




二人が帰ってくるのをたまたま見かけたルークが不思議そうに声をかける。




リィアナ「わからない、でも私が怒らせたかも」


ルーク「…」




ガイが去った方向を眺めていると




コツ…




リィアナ「?」



優しく頭を小突かれた。

隣を見れば目の前にルークの握りこぶし。

彼の手が自分の頭を小突いたのだとわかり、リィアナは目を瞬きさせる。




ルーク「うまく言えないけどさ、ガイならすぐいつも通りになるって…」


リィアナ「…」


ルーク「…その、」


リィアナ「ありがとう」



ルーク「…ぇ」




微かに一瞬、リィアナが笑ったのにルークが固まる。

そんな彼に気付かず少女は歩いていく。







ルーク「…わ、笑った」












次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ