世界の物語

□第15話「買い出しにて」
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周りを見れば、男の船乗りばかり。

しかも彼らは何故かチラチラとリィアナに視線を送っている。



(なんだろ、変な顔してるのかな…服がおかしいのかな)



ボーッと考えていると前からやってきな男二人の船乗りが声をかけてくる。



「何か探してるのか?」



一人の男の問いにリィアナは素直に首を縦に振り、ご丁寧に説明付き。




リィアナ「船の機関部分の機材を探しに」


「へぇ…」


「感心はできないな、女が一人来る場所じゃないぜ」


リィアナ「?二人だったら平気?」



すると船乗りの二人はきょとんとし、やがて大笑いをして一人がリィアナの頭に手を乗せて、少女の頭を乱暴に撫でる。

おかげでリィアナの髪はぐしゃぐしゃだ。




ガイ「リィアナ!」



そこへ、人込みの中からガイが走ってリィアナを呼ぶ。

その声に少女は手を振る。



リィアナ「ガイ、お帰り」


ガイ「『お帰り』…じゃないだろ……」


「待ち人も来たことだ、またな嬢ちゃん」


リィアナ「うん、またね」



立ち去る船乗り達に手を振り、ガイを見ると彼はとても疲れ切った顔をしている。



リィアナ「どうかした……―!!」



そう尋ねるリィアナの頭を、ぐしゃぐしゃになった髪をガイはゆっくりと撫でる。


記憶に間違いがなければ確か彼は女性に触れるどころか近づくのも苦手だったはず。

微かに彼の手が震えている。



リィアナ「ガイ?」



ガイ「…戻るか、機材はあったからな」




片方の手には確かに機材が入ってるらしい袋があった。

何事もなかったかのように彼はいつもの笑顔でリィアナに笑い、歩き出した。




(?なんなんだろ?)





リィアナは首を傾げて先を行く青年を駆け足でおいかけた。








第15話・終
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