世界の物語
□第6話「勘違い」
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ガキィインッ!!
キィィンッ!!
刃が交わって火花が散っているのではないかと思うほどの激しい切合い。
交わる音が洞窟内に反響する。
音の元には二人の男女。
やがて互いに剣を構え対峙する。
(どうしたら聞く耳をもってくれる…?)
リィアナはわけがわからないままだ。
自分に剣を向ける目の前の青年。
そして後ろにいる赤い髪の青年。
右肩を押さえたまま苦い顔でこちらを見ている。
彼等とは面識も彼等に恨みをもたれるようなことをした覚えがない。
???「戦いの最中に考え事か。俺も舐められたもんだな」
リィアナ「待って、私は…――」
キ――…ィイン
間一髪だった。
一瞬姿を消した青年をまた目で捉えた時には背後にいて、彼の剣が頭上から振り下ろされる。
リィアナは咄嗟に身体を捩って前方へ転がり、青年の剣は地面に振り下ろされ乾いた音が響く。
???「ーー!」
その俊敏な動きに驚きながらも青年は再び剣を構え直し、数メートル離れた所で膝をついているリィアナを見る。
転んだ時に足を捻ったのだろうか、動かすと痛みが走り、リィアナの顔が微かに歪む。
???「君には悪いがルークを渡すわけにはいかない、女性だろうと敵は容赦はしない」
リィアナ「…」
話しかけようにも彼は完全に焦っていて聞く耳を持たない状態。
青年はリィアナのすぐ傍にまで来ると剣先を彼女に突き付けた。