世界の物語
□第5話「遭遇」
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リィアナがいつものように依頼を受けに機関室に向かうとキールが盛大にため息をはいた場面に遭遇する。
キール「しかし、まぁ毎日暇な事だ、依頼と言えば身内からばかり…」
(勉学で忙しいって前にキールは言ってた。だけど、どうして暇なんだろ)
更に深いため息をつくキールを横目に見ながらリィアナは依頼書をチャットから受け取る。
それを見ていたイリアが横から顔を覗かせてきた。
イリア「ん?リィアナ、それ何の依頼?」
リィアナ「猫の捜索。アメールの洞窟に逃げたらしいから探してくれって」
イリア「ウザッ!!」
リィアナ「早く見つけてあげないとだね」
イリア「…あんた聖人か何かなの」
呆れるイリアに対してリィアナは目を丸くする。
リィアナ「どうして?早く見つけないとモンスターに襲われてるかもしれない」
イリア「………」
真面目な顔で話すリィアナに呆れを通り越してイリアは空笑いを始めた。
キールは分厚い本のページをめくりながらイリアに告げる。
キール「リィアナにまともな返答を求めても無駄さ。こいつは利害を考え動いていないからな。まぁ、打算的に動くイリアには到底理解は出来ないことだろうさ」
イリア「アンタに馬鹿にされていることはわかったわ」
口に喧嘩になりそうな雰囲気をそれこそ横目で見ていたチャットが眉間に皺を寄せて依頼書をちらつかせる。
チャット「…あなた方もリィアナを見習って働いたらいかがですか?暇だ暇だと言ってるようですが依頼は小さいとはいえ溜まってるんですけど?なんならバンエルティア号の掃除、整備をしてもらっても――」
ガタッ
イリア「今から行ってくるわ!!」
キール「ファラを手伝ってくる」
最後まで言う前にイリアとキールは同時に足早に機関室をでていった。