世界の物語
□第4話「歓迎会」
5ページ/5ページ
ルカ「リィアナ、どうしたの?どこか痛いの?」
胸に手を当てて俯いてるリィアナにルカが気付いて声をかけた。
他の仲間も話をやめて少女に目を向ける。
全員の視線を一身に受けたリィアナは顔をあげ――
リィアナ「ありがとう、すごく嬉しい…」
「「「「…!!!」」」」
とても柔らかく微笑んだ。
バンエルティア号に落ちてから初めて見せたリィアナの笑顔。
その笑顔に仲間たちが固まる。
リィアナ「どうしたの?」
またいつもの表情に戻ったリィアナは固まっているみんなに尋ね、その問いかけにカノンノが我に返り首を大きく振る。
カノンノ「そっか…!」
カイウス「なんだよ、ちゃんと笑えるじゃんか!」
一気に明るさを…いや、さっきより更に明るくなった小さな歓迎会場。
チャットがリィアナに近付いて手を差し出す。
チャット「リィアナさん、改めてよろしくお願いしますね」
差し出された手を素直に握りチャットを見て、みんなを見渡すリィアナ。
リィアナ「私こそ、よろしく。それから…私の為にありがとう」
そう告げたリィアナにみんなが笑顔を見せる。
一部照れ隠しをするものがいたが。
イリア「よーし!今日は騒ぐわよー!!」
「「「「おおー!!」」」
イリアの掛け声にみんなが賛同し歓迎会は盛り上がる。
(うん、楽しくて嬉しい)
みんなとまた少しづつだが確かに距離を縮めたリィアナ。
胸に感じる暖かさに微かな安らぎを覚え
そして、また小さく優しく微笑んだ。
第4話・終