世界の物語

□第4話「歓迎会」
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ルカ「リィアナ、どうしたの?どこか痛いの?」



胸に手を当てて俯いてるリィアナにルカが気付いて声をかけた。

他の仲間も話をやめて少女に目を向ける。
全員の視線を一身に受けたリィアナは顔をあげ――









リィアナ「ありがとう、すごく嬉しい…」








「「「「…!!!」」」」






とても柔らかく微笑んだ。



バンエルティア号に落ちてから初めて見せたリィアナの笑顔。


その笑顔に仲間たちが固まる。



リィアナ「どうしたの?」




またいつもの表情に戻ったリィアナは固まっているみんなに尋ね、その問いかけにカノンノが我に返り首を大きく振る。



カノンノ「そっか…!」

カイウス「なんだよ、ちゃんと笑えるじゃんか!」




一気に明るさを…いや、さっきより更に明るくなった小さな歓迎会場。


チャットがリィアナに近付いて手を差し出す。



チャット「リィアナさん、改めてよろしくお願いしますね」



差し出された手を素直に握りチャットを見て、みんなを見渡すリィアナ。




リィアナ「私こそ、よろしく。それから…私の為にありがとう」




そう告げたリィアナにみんなが笑顔を見せる。

一部照れ隠しをするものがいたが。




イリア「よーし!今日は騒ぐわよー!!」


「「「「おおー!!」」」




イリアの掛け声にみんなが賛同し歓迎会は盛り上がる。





(うん、楽しくて嬉しい)






みんなとまた少しづつだが確かに距離を縮めたリィアナ。

胸に感じる暖かさに微かな安らぎを覚え



そして、また小さく優しく微笑んだ。







第4話・終
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