世界の物語

□第3.5話「計画」
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リィアナがバンエルティア号にやって来てから一週間。

チャット率いるこの集団。

彼女は"海賊"と言うが、蓋をあけてみれば、だ。
困っている人達の依頼を引き受けて助けるという"海賊"という名前とは反対にとても優しいものだった。







記憶喪失という扱いということで、地名は勿論、地図の見方さえわからなかったリィアナ。
一から全て教えていかなければならない、さすがに仲間たちは頭を抱えていたが。

記憶がないおかげというのか、スポンジの如く吸収し今ではすっかり1人で動けるようになれた。


ほぼキールが付きっきりで教えたおかげでもある。












ーーーー……







チャット「ん?」



チャットが顔を向ける先には一人の少女の姿 リィアナだ。

機関室にやってきた彼女は依頼完了の報告書を片手にやってくる。




リィアナ「はい、依頼報告書」


チャット「確かに預かりました、ご苦労様です」


リィアナ「また何かあれば言ってね」




報告書をファイルにしまい、チャットは機関室を後にしようとするリィアナを呼び止めた。




チャット「リィアナさん!」


リィアナ「?」


チャット「あ、っと………そうです!お休みを取られてはいかがでしょうか!?」




チャットの言葉にリィアナは「どうして?」と言いたげな顔を向ける。


純粋な目を向けてくる少女にヤバイと声をかけた自分を殴りたい。




チャット「い、いいいいえ…、たっ、たまには休むのもいいんじゃないかなぁ〜…と」


リィアナ「一日一つの依頼しかしてないけど…それにまだ一週間しか…」


チャット「うっ…」



別に反抗しようとしているわけで彼女が言っているのは百も承知。
まだ一週間、しかもそんなに数をこなしてもいないのに自分だけ休みだなんて何故なのかというリィアナの純粋な疑問を読み取りチャットは焦る。
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