世界の物語
□第2話「記憶喪失」
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『お願い…』
声が、聞こえる…
『マナを、世界をどうか…』
???「ーー……?」
ゆっくりと瞼を開いて視界に入ったのはどこかの部屋だろうか、何の変哲まない天井。
(…ここは?)
天井が視界に入ってくるということは自分は今、寝ている状態なのだと少女は恐ろしく冷静に把握し、辺りを見ようと首を動かしたら目の前にライトグリーンの丸い瞳が飛び込んでくる。
カノンノ「気がついたんだ…!よかった…」
???「…?」
ソファーから寝ていた体を起こし、駆け寄ってきた少女を見る。
(誰だろう…?)
首を傾げる姿ににカノンノが話かけようとしたが、背後から扉が開く音が聞こえ、もう一人誰かがやってきた。
パニール「カノンノ、どう?お目覚めになった…―」
???「?」
羽が生えた小さな生き物の登場に益々首を傾げる少女。
しかし、そんなことお構いなしに小さな生き物は少女の顔、姿を凝視して声をあげる。
パニール「んまー!改めて見ても可愛いらしいお嬢さまだこと」
ニコニコしながら小さな手で少女の頭を撫でる。
パニール「ご無事で何よりだわ、ここはバンエルティア号という船の中なの」
???「バンエル、ティア……?」
船の名前を呟くと少女が待ち切れないという風に口を開く。
カノンノ「私、カノンノ!!あなたは?」
???「私は…―」
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