世界の物語
□第1話「プロローグ」
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見渡す限り広大な海に漂う一隻の船。
その船の甲板に一人の女の子の姿。
ピンクの髪に水色のセーラーのようなワンピース、幼さが残る女の子。
そこへ、羽が生えた小さな生き物が女の子に近づく。
女の子もそれに気付いて笑顔を向けた。
女の子「あっ、パニール!洗濯物取り込んでおいたよ」
パニール「ありがとう、カノンノ」
小さな生き物はパニール、女の子はカノンノ。
オレンジ色の身体のパニールと呼ばれた生き物は「こっちも片付いて一息つけるとこよ」とカノンノに優しく微笑む。
その時だった。
カノンノ「…!!」
バッと女の子は振り返る。
まばゆい光が空全体を照らし出し白に包み込まれた。
光を放つ方角を辿るとそこには光り輝く世界樹。
そして世界樹の中心に光が集まり、次の瞬間、空に向かって一筋の光が飛び出し瞬く間に消えた。
カノンノ「ぇ………な、に、今の……」
パニール「…………………」
パニールは口を開けて呆然とし、彼女の言葉に返事を返すことが出来なかった。
カノンノは空を見渡すが先程の光は嘘のように、いつもの空が広がっている。
カノンノ「ほんとに、何だったんだろう…」
パニール「、こんなこと初めてよ……あぁ、びっくりしたわ……」
手を胸に置いて息をつくパニール。
カノンノも「びっくりしたね……」と、また視線を海に向けた。
…………ーーーー
ドンッ―!!!!
「「!!?」」
背後からした大きな音にカノンノとパニールが振り返って驚く。
そこには――
カノンノ「―…!!!」
パニール「ひ、人がッ!?人が空から降ってきたわぁぁあ〜!!!!」
一人の女の子が倒れていた。
第1話・終