ShortT

□にらめっこ
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「ツナ〜全部終わった??」
「ん〜あとちょっと。山本は?」
「オレもあともうちょい。頑張ろうな!」
「うん!」

山本とツナはツナの部屋で補習課題を解いていた。
お互い毎回のように補習をくらっており、相変わらずの頭の悪さである。
会話が途切れると静かなもので、下のにぎやかな笑い声が聞こえてきた。

「何か楽しそうだな」
「多分ランボがにらめっこしてんだよ。最近変顔して笑わせるのにはまってるみたいでさ、オレもよく勝負させられるんだ」
「へぇ〜にらめっこか。懐かしいな!そうだツナ、ちょっと気分転換にオレらもやんね?真顔でいいからさぁ」
「え…あ、まぁ、いいけど…」
「おし、じゃあ決まり!!笑ったり目逸らしたら負けな!!せーの、あっぷっぷー!!」
「ぶはっ…あっはははははは」
「んっ??ツナ??」

"あっぷっぷー"が山本のキリっとした端正な顔とあまりにも不釣り合いで、ツナは思わず吹き出し、ケタケタと笑い転げた。

「や、山本…ぶぶぶっ…あっぷっぷって…」
「そうか?普通あっぷっぷじゃね?」
「そ、それはそうなんだけど…」
(似あわねー!!)
「??まいっか。じゃ、気を取り直して用意はじめ!」

お互い真顔でじっと相手の顔を見つめる。

「…っ///////////」

しかしみるみるうちにツナの顔が真っ赤になり、早々と山本から目を逸らしてしまった。

「やりっ!オレの勝ち!!つーかツナ早すぎ!!今度はどうしたんだよ??オレの顔変だった??」

山本はニカッと笑ってツナに尋ねると、ツナはまだ顔が赤いままあたふたとしながら答えた。

「いや、そうじゃなくて、真顔でするの苦手なんだよ。わけもなく笑いがこみあげてきたり、恥ずかしくなったり…山本は全然変な顔じゃないよ!!むしろキリっとしててカッコいいし…」

妙にドギマギして言葉に詰まっていると山本の手が伸びてきた。

「よしてくれよツナぁ、照れんだろぉ〜!!」

山本は照れ笑いを浮かべてツナの髪をわしゃわしゃと撫でた。

「く、くすぐったいよーっっ」

猛烈な癖っ毛でよくかわかわれるしあんまり触られるのは好きじゃない。でも山本にされるのは不思議とイヤじゃなくて。むしろ嬉しいかも…ってあれ!?オレ、なんか変??

いや、きっと普段から山本はスキンシップが多いし、山本だから何となく許せちゃうんだ。うん、きっとそうに決まってる!



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