butler

□call my name.
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繋いだ手は離さないままに。


戸惑いながら電車に乗るアイツに少し笑ってしまったけれど。


嬉しくて
楽しくて
少し、恥ずかしくて


それでも2人、会話が途切れる事はなかった。







「人、すごいってばねー」

「若者だらけですね」

「今の発言、なんかおっさんくせぇ。」

「…おっさんくさい…」



人混みに紛れながら、とりあえず向かった先は渋谷。

まわりの女の子の視線が少し痛いけど…

歩みを止めないアイツは、渋谷の地図すら頭に入ってるんだろう。



「渋谷で何すんだってば?」

「もうすぐですよ」



少し歩いて入った先は…ゲームセンター!?



「もしかして…」

「…嫌でしたか?」



まさか、嫌なわけない。

ただ、一緒にプリクラなんて撮れないだろうって思ってたから。

大きく首を振ると、アイツは少しはにかんだように笑った。



なんだか2人共ぎこちなく並んだプリクラ機の中。

腕を組んでみたり、頬を寄せてみたり。

楽しくなってきて、横にいるアイツを見上げた時


不意に重ねられた唇


最後のシャッターが響いた時、アイツが悪戯っぽく笑ってた。







あのね


オレ、すごく嬉しいんだ。



プリクラを撮ったり

原宿で服を選んでみたり

竹下通りでクレープを食べてみたり



オレ達

今、普通の恋人同士だってばね。




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