ーBOOKー

□八尺様
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そして先に書いたようなことを説明され、もうあそこには行かないようにと念をおされた。

家に戻ってから、じいちゃんと電話で話した時、あの夜に声をかけたかと聞いたが、そんなことはしてないと断言された。












─やっぱりあれは…











と思ったら、改めて背筋が寒くなった。

八尺様の被害には成人前の若い人間、それも子供が遭うことが多いということだ。
まだ子供や若年の人間が極度の不安な状態であるとき、身内の声であのようなことを言われれば、つい心を許してしまうだろう。





















それから十年経って、あのことも忘れがちになったとき、洒落にならない後日談ができてしまった。

「八尺様を封じている地蔵様が誰かにこわされてしまった。それもお前の家に通じる道のものがな」


とばあちゃんから電話があった。(じいちゃんは二年前に亡くなっていて、当然ながら葬式にも行かせてもらえなかった。じいちゃんも起き上がれなくなってからは絶対来させるなと言っていたという。)

今となっては迷信だろうと自分に言い聞かせつつも、かなり心配な自分がいる





















「ぽぽぽ…」

















という、あの声が聞こえてきたらと思うと…







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