山「やっべぇ!朝練ねぇから寝坊しちまったぜ!」



珍しく朝練がない今日。油断して寝坊しちまった俺。あー最悪だ!完璧遅刻じゃねぇかー…。

急いでもどうせ遅刻。なら一時間目に間に合うように学校に着けばいいよな?うん、ゆっくり行こう!……と、意気込んでいたのが良かったのかもしれない。



((バァンッ・・



歩いていたら、何かが壁にぶつかるような音がした。・・・よく知っているこの音。野球ボールが投げられた、音だ。

気がついたらその音がする方へ走り出していた。何、今の音!すんげぇ重い音してる!やべぇ、打ちたくなってきた



山「は、ぁ……!?」

『…君、昨日の。』



音がする方に行くと、グローブを持った昨日のあの子がいた。もしかして、あの重いボールは…。この、女子が…?



『今の時間…遅刻なんじゃない?急がないの君…?』

山「あぁ、今更急いだって……。つーかいまの壁投げ?お前が…?」

『女の子だから、無理だって言いたいの?でも残念、あたしはそこらの男子よりm』

山「すげぇなお前!!!!!」



そう興奮ぎみに叫んだら、不快そうな顔をしていたこの女子がポカン、と口を開けていた。……あれ?俺変なこと言ったか?



『…っふは!君おもしろ!』

山「は、え?え?」

『クスクス…、君昨日見たときより輝いた目してる。何か発見したの?』



不快そうな顔から、ポカンとした顔。そんでもって今は笑顔。なんだこいつ、おっもしれー!それにあんたのおかげで発見したさ、新しい俺をな。



山「あぁ、もちろん!にしてもすげぇ重い音だったな。MAX何キロ?」

『ん、………143。』



打ってみたく、なった。143?そんな速い球を…。バッティングセンターで145は打ったことはある。だけどやっぱり、人とマシンじゃ全然ちげぇから。



『ふふ、打ちたいって顔に書いてる』

山「っえ…、」

『また、明日ね。』



そう言ってあの子はボールを拾い、その場所を去っていった。



山「………っと、遅刻!!!!」



十分遅刻なんだけどな。なんだか明日が楽しみになったのは、俺だけの秘密だ。



遅刻のお土産
(でさ、ツナ!その子ったらよ…)
(はは、山本ってばその子話ばっか!)
(…?そうだっけか?)





fin.
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