永遠の存在U
□集会(全16ページ)
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翌日、日曜日。
「慶太はどうしたんだ。起こさないと」
朝食を食べながら誠之が光輝に言った。
「体調が悪いみたい…。まだ寝かせてあげてくれないかな」
「慶太さん…大丈夫だよね…」
清香は心配そうにうつ向いている。
10時になってから、慶太は起床した。
ベッドから出るものの…足元がおぼつかなく、壁に手を付いて息を切らす。
(…駄目だ…。意識が朦朧としやがる…)
「…どうした?歩けるか?」
物音に気付いた誠之が部屋に入って来た。
「大丈夫だって!へぇ…お前、礼服似合ってんじゃん。今日は日和ちゃんも来るらしいから頑張れよ。全面的に支援してやるから」
「な…やかましい。人が心配しているのに…。本っ当に、デリカシーの欠片もない人だな」
「アッハッハ。ほら、裾が解れてんぞ。髪も整えなきゃな」
慶太は笑って部屋を出た。
「………ッ」
咳き込み、洗面台に伏せってしまう。
「慶太!どうした!」
慌てて光輝が背中を叩いてやる。
「…ゲハッ…な…何でもない…。罰が当たったんだな。人に心配かけまくってるから…」
「慶太はよくやってくれてるさ。きっと、疲れが出たんだ。今日は休んでなって…」
「大丈夫…無理はしないよ。俺がいなきゃ、お前一人だとチビ共の面倒を見きれないだろ?」
「それは…そうだけど…」
「さあ、早く支度して行こう。時間に間に合わない」
そんな慶太に対して、光輝は悲痛な表情になる。
「…慶太、俺…やっぱり頼りにならないか?」
言われ…慶太は慌てて振り向いた。
「急に何を言い出すんだよ。俺が、どれだけお前に助けられてると思ってんだ」
「そう…なのか?」
「当たり前だろ。自分に自信を持てって」
「…自分に、自信…か」
言われて初めて気付いた。
自分に自信がないから、何事に対しても引き気味になってしまうのだと。
「積極的に行けば良いのか」
「…お前…ひょっとして…」
慶太は歯を磨きながら髪を掻き上げる。
「好きな女でも出来たのか?」
「い…いいだろ、別に…。さ…さてと、支度しようかな…」
光輝は足早に去った。
(…分かり易い奴だ)
そう思い、慶太は笑いを堪えていた。