永遠の存在U

□海水浴(全24ページ)
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豪華な一室で、慶太は目を覚ました。


「…うわぁ…」


起き上がり、すぐに見える窓の外に息が洩れた。


真っ青な海、白い砂浜。


眩しい太陽、はしゃぎ声。


慶太がいる部屋は、資産家である神田家が経営するリゾートホテルだ。


「あ、目が覚めましたか。気分はどうですか?」


このホテルの制服だろうか、男が部屋に入って来た。


「ああ、良く眠れた。あなたは…」


「私は、旦那様よりあなたの看病を仰せつかった者です。皆さんはビーチへおいでになられているようですよ」


「そうか…。じゃあ、俺も行こうかな」


「では、そのようにお伝えしておきます」


男が部屋を出ると、衣服を着替える。


救助が来てから、記憶がない。


『危険な目に遭わせてしまって…申し訳ない…』


そう健一が謝罪し、豪華リゾートを一日プレゼントしてくれたのだ。


普通なら、宿泊費(一泊)100万円なのだが…。


「さあて、行こう」


支度が終わり、ビーチへと出た。


すぐに皆は見付かった。


「慶太!大丈夫なのか?」


麗児が駆け寄って来た。


「ああ。心配かけたみたいだな」


「良かったぁ…。あ、腹は減ってない?今、焼いてる所なんだ。お酒も沢山あるんだ」


慶太はパラソルの下のテーブルに着いた。


「大丈夫か?お前、半日も眠ってたんだぞ?」


光輝が缶ビールを手渡してきた。


「半日もか…。とんだ災難だったな」


慶太は缶ビールを受け取り、栓を引いた。


「さあさあ、どうぞ!ビーチの定番は、やっぱり焼きそばでしょう!」


海斗が皿に盛った焼きそばを目の前に置いた。


「ありがとう」


「海斗…お前、ガリッガリだなぁ…。もっと肉食えよ肉をよ」


「えー?コレステロール溜まるじゃないですかぁ。あ、レタスない?レタス」


海斗は焼きそばを焼いている達也の元へ駆け寄った。


「ウサギみたいな奴だな…」


「あ、慶太さん。起きたの?」


その声に振り向き…。
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