永遠の存在U
□集会(全16ページ)
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6月の下旬。
野杉宅に、一通のエアメールが届いた。
慶太は、それが父親宛ての物だということで、父親に宛先を聞いて郵送した。
父親…野杉は今、届いたエアメールを懐かしみながら読んでいる所…。
“――野杉先生へ。
ご無沙汰しています、お元気ですか?
僕は相変わらず、仕事で各国を転々とする毎日ですが、勝巳さん共々、元気に過ごしています。
三山君の子息が生きていたとの知らせを受けて、急遽、帰国するに当たって是非一度、皆や先生とお会いしたいと思います。
日曜日の正午、キャシーへお越し下さい。
日向聖より――”
野杉は仕事さえなければと苦笑して、慶太にメールを送った。
「代わりに出席して、誠之と清香を紹介して来てくれ…か」
「久々に連絡を取ったと思ったら…また堅苦しいことだなぁ…」
光輝はメールを読んで、慶太は頭をバリバリ掻いた。
「当の本人達はどうしたんだよ」
「誠之は勇気と部屋でテレビゲームしてる。清香は希望と由梨香小母さんと買い物に行った」
「…充実してんじゃん。羨ましい…」
「慶太は疲れてるみたいだな。どうかしたのか?」
「う〜ん…何かさ、具合い悪くて…。夜更かしのし過ぎだな」
「大丈夫か?日曜日って…明日じゃないか?何だって、こんな急に…」
「時差ボケじゃないのか…?………」
「…慶太?おい、本当に大丈夫か?」
光輝は半目になった慶太を慌てて揺する。
「…っと、危ない…。大丈夫大丈夫、父さんの頼みなんだ。誠之と清香のことは、上手く言うって」
「…悪い…」
光輝は人前で何かを発表したりするのは苦手だった。
むしろ、光景を見守るしか経験がない。
「気にすんな。今日は早目に休むようにするから」
「じゃあ、今から支度しておくよ」
飯の支度に、風呂の支度に…明日の準備にとをこなしていた光輝は、飯の時間を知らせに部屋を覗いた。
「…誠之さん、そろそろ行かない?」
「そうだな…。ひときれのパンにナイフ…ランプを鞄に…詰めて…。よし」
「…ラピュタ…?」
そんな光景を見て、光輝はクスクス笑う。
「二人共、飯だよ」
誠之と勇気は「後でやろう」と、ちゃんとセーブして手を洗いに行った。