永遠の存在U
□子供の日(全7ページ)
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食事が済んで。
日和は父親にお願いした。
「お兄さんやお姉さん達に、すっごく親切にしてもらったの」
「何かお礼をしたいのか?」
「うん!でも、お礼って…何をするものなのかな…」
「日和は、ありがとうと言うだけで良いんだよ。父さんに任せておきなさい」
「うん…」
「そろそろ戻ろうか」
野杉宅に戻った清水親子。
「やあ、お帰り」
望月が笑顔で出迎える。
「望月先生…。心配をかけました」
「ということは…」
「ええ。帰ったら、乙女葉にも詫びます」
「そうか…良かった。それじゃあ、明朝、帰ろうか」
その言葉に、その場に居た慶太と清香…海斗は無言になる。
「…あ…あの…」
日和は慶太を見た。
「ん?」
「また…来ても良いですか…?」
「もちろん。今度は、ちゃんとお父さんに言ってから来いよ。待ってるからね」
「はい!」
日和は嬉しいと父親にすがりつく。
「そうだ。日和ちゃん、今日は子供の日なんだ。お父さんに欲しい物をお願いすれば良い。欲しい物があるって言ってたろう?」
「欲しい物…」
「アハハ、そうなのか。何でも良いぞ。何が欲しいんだい?」
それじゃあ…と、日和は笑顔で父親を見上げた。
「私、兄弟が欲しいの」
「ぅぐ…ゲホッ、ゲホッ!き…兄弟?!!」
「どうした?小父さん。顔真っ赤にしちゃって」
「晃も乙女葉も、まだまだ余裕あるんだし、羨ましいな。僕も、もう一人くらい作っておくんだった」
「望月先生まで…何を言ってるんですか!俺は…」
「お父さん…。駄目?」
日和が上目使いで懇願してくる…。
「ぅ…か…母さんに相談してから…な…」
「お父さん、ありがとう!」
すかさず、清水は慶太を睨む。
「日和はね…子供がどうやって出来るのかを知らないんだよ」
「げ…。そりゃあ…いくら何でも過保護にし過ぎじゃ…。今時の小学生でも知ってんぞ…?」
慶太は冷や汗を流した。
「フフフ…慶太、日和に悪知恵を入れた暁には…。分かっているかな?え?」
「ち…ちょっと…あの…ギャアアアア!!!!」
「なかなか良い内蔵を持ってそうな健康的な体だな。フフ…」
「マジだ…この人、マジだ!」
口は災いの元…というものを実感した慶太であった。
〜END〜