永遠の存在U

□二卵性双生児(全10ページ)
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金色の髪と白い肌…青い瞳。


顔立ちや容姿は申し分なく、同じ男から見ても綺麗だと感心するほどだ。


「あの…失踪した奥さんのその後は…」


光輝が訊いた。


「親友の一人が捜し回ってるけど…未だに消息不明のままだ」


「…そう…ですか…」


「…にしても…子供はどうしてるんだろうな。生きていりゃあ…もう19歳か」


村川は由梨香にそう言った。


「ええ…。ちゃんと元気でいてくれていれば、それで良いんだけどね…」


「そうだな。義姉さんなら、きっと一人でも立派に育てたはずだ」


「そうね…。慶太、光輝」


由梨香は双子を見つめた。


「先生が帰って来たら教えてちょうだい。私達が、先生にこれ以上傷付かないようにと説得するから」


「小母さん…ごめんなさい」


「いいのよ。あなた達がお父さん思いで、小母さんまで嬉しいんだから。後は任せなさい」


その時。


勇気が現れた。


「勇気。どうかしたのか?」


村川が訊いた。


「邪魔してごめん。喉が渇いた」


「いや、丁度終わった所だ。慶太、光輝。必ずだぞ」


双子が頷くと、村川と由梨香は「おやすみなさい」と廊下の奥へと消えた。


「泊まって行けば?」


勇気はグラスを二つ手にしながら言った。


「俺、お茶な」


「俺も」


双子が言うと、勇気は無表情のままグラスに飲み物を注いでトレーに乗せた。


「電気消してね」


光輝が戸締まりして、慶太がアルバムを手に、階段を上がる勇気の後に続く。


階段を上がって廊下の奥の部屋の前で勇気が立ち止まると、光輝がドアを開けてやる。


慶太が電気をつけた。


「…俺の伯父の為に小父さんが傷付くなんて目に見えてた」


勇気は飲み物を双子に手渡して言った。


「父さんと母さんは落ち着いてるから、気付かなかったのは当然だ」


「さっすが勇気だな」


慶太も光輝も感心する。


「…あなた達はどう?」


「お前の伯父を捜した方が良いのかどうか…だろ?せめて消息は知りたいよな」


「…捜索しているのは、レッドステーションの会長」


「そうなのか?!」


「…内緒だよ」


重要な情報が意外な所で手に入った。


双子は父親の為に、何とかしようと乗り出した。


冒険の始まりだ。




〜END〜
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