永遠の存在U
□子供の日(全7ページ)
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同じ頃。
清水親子は二階建ての一軒家を訪ねた。
「はぁい!あら?日和先輩…?」
出迎えた希望は、清水の姿に驚いた。
「あ…父です…」
「どうも。お父さんかお母さんは在宅かな?」
「あ、はい!お父さぁん、お母さぁん!」
希望が、日和が父親と訪れたと話すと、村川と由梨香は慌てて玄関を走り出て来た。
「晃?!!」
「清水さん…。ああ…お久しぶりです…」
「やあ、本当に久しぶり。もう10年近く会ってなかったんだもんな」
「ええ。あの…清水さん。日和ちゃんが一緒…ということは?」
「あ、ああ。まだこれからだ。今度はいつ来れるか分からないからね、寄ってみたんだ。二人共…元気そうで良かった」
「アハハ!!お前もな!!」
清水は日和に向き直った。
「父さんの高校の時からの親友なんだ。大切な仲間だ」
「大切な…仲間…」
「…の割には連絡も寄越さねぇよなぁ、お前は昔から…」
村川は清水の首に腕を回す。
「悪かったよ。ところで…利音の所は子供は二人だったか?」
「おう。一度、どっか行こうぜ。夏休みにでも、皆でさ」
「そうだな…。そうなるように頑張るよ」
しばらく雑談を交わして、清水親子は立ち去った。
「ついでだから、爺さんにも会って行こうか」
「うん!」
一路、実家へ。
「どちらさんでしたかの」
白髪の痩せた老人は耳を小指で掻いて言った。
「悪ふざけはやめてくれ。久しぶり、父さん」
「全く…今まで何をやっとったんじゃい。おぉおぉ、日和は大きくなって…可愛いのぉ。いくつんなった?」
「もうすぐ15歳です…」
「もう、そんなになるんかい。ほれ、つっ立っとらんで早く入りなさい」
老人…清水の父親は腰を曲げながら二人を促した。
居間に腰掛け、取りあえずかいつまんで近況を報告しておく。
「離婚?お前…まさか、出戻る気ではないだろうな」
「分からない。けど、そうなるかもね。その時は宜しく」
「はぁあぁあぁ…何ちゅうこった…。そうだとは知らなんだ。まずは、日和のことを考えて、それから決断するんじゃ」
「父さんまで…。俺達、夫婦の問題に日和は関係ないだろう?」
しかし、清水の父親は首を振る。