譚
□純
1ページ/1ページ
遥か彼方に想いを馳せ、ふと陽の暮れてきた空を見上げた。そしてポツリと呟く。
『あぁ、もう逝かなくちゃ…』
そして立ち上がり目の前に広がる世界に別れも告げず目を閉じ、身を浮かべた。
『やっと解放される。楽になれる。』
そう言って旅立った。先の事なんてもう見えなくなっていて、とにかく早く死にたいと願ってしまったのだろう。
『ごめん…頼む…』
正面を向き、顔は下を向き、振り向き様にそう言った。だからこそ私は見届けるしかなかった。悲しみも苦しみも押し殺して…
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ