魔法の部屋

□DIARY
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五分後、シリウス、リーマス、ピーターの三人が自分達の部屋に戻ってきた。
ちなみにジェームズは、リリーに話しかけていたレイブンクローの男子生徒に呪いをかけたのが見つかったため、一人罰則を受けていた。
「あー、くたびれたぁ」
「今日の授業は疲れたよね」
シリウスとリーマスの二人はベッドにドサッと倒れこんだ。
ピーターもベッドに寝っ転がろうとしていたが、ふと隣のジェームズのベッドに目が止まった。
ジェームズのベッドの上には、見慣れない茶色い鍵付きの本が置いてあった。
「あれ? なんだろう?」
ピーターが本に触れようとすると、本はガチガチいいながら襲いかかってきた。
「ひいいいいいいいいいいいいいい!!」
「ピーター!!」
「どうした!!」
悲鳴を聞きつけた2人が慌てて起き上がった。
「た、助けてぇ!!」
まさに今、ピーターは本に噛み付かれようとしていた。
「うわああああっ!!」
「うおるぅあっ!!」
ドスッ
ピーターに飛びかかってきた本を、助けに入ったシリウスが力いっぱい殴り飛ばした。
本はそのまま壁にぶち当たり、バサリと床に落ちた。シリウスの拳が見事に本の急所に当ったらしく、ピクリとも動かなくなった。
「ピーター、大丈夫かい?」
「うん。ありがとうシリウス」
「どういたしやして。にしても、なんだこりゃ?」
ノックアウトされた本に近寄って見ると、表紙にDiaryと金文字が押してある。どうやらジェームズの日記のようだ。
「へぇ、ジェームズって日記書いてたんだ。意外だなぁ」
「面白そうだな♪ 見てみようぜ♪」
シリウスがヒョイッと日記帳を手に取った。
「ダメだよシリウス! 人の日記を勝手に見たら!」
「そうだよ。やめときなよ」
リーマスとピーターは止めようとした。が、
カチャッ
「もう無理♪ 鍵開け呪文かけちまった♪」
シリウスの手の中で、日記帳の鍵が外れた。
「リーマス、ピーター、お前らも一緒に見ようぜ」
日記帳を持った手で二人を手招きするシリウス。
「遠慮しとくよ。人の日記を勝手に読むのは、マナーがいいとは言えないからね」
「僕もいい」
リーマスは眉根を寄せて、ピーターは先ほどの恐怖を思い出して、シリウスの誘いを断った。ところが、シリウスは反省の色も無くこう言ったのだった。
「んなこと言ってていいのか? ジェームズの奴、この間リーマスの菓子ん中に、勝手に辛子味を追加してたし、」
「ええ!?」
「ピーターのパジャマをフリルたっぷりのピンクのやつにしてたし、」
「あれジェームズだったの!?」
「俺なんかシャンプーの中身を水飴とすり変えられたんだぜ」
「「ひっど!!」」
シリウスの暴露話に、思わず叫ぶ二人。
さすがはジェームズ。スネイプやフィルチだけでなく、こっそり仲間にも悪戯をするとは、ある意味感心ものである。
「で、どうすんだ?」
ひらひらと日記帳を振って尋ねるシリウス。
ジェームズの数々の悪事によって、リーマスとピーターの答えは決まった。
「「見よう!」」
「じゃあ、ご拝見♪」
シリウスは適当にページを開いた。すると、ちょうど今月の日にちのところだった。
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