魔法の部屋

□マジカル☆桃太郎
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それから何年か経ち、
「ちょっと、『何年か』じゃアバウトすぎだよ。もっと正確に言って欲しいな」
・・・失礼。それから10年が経ち、桃太郎は悪戯好きだがとても勇敢で優しい、立派な少年になっておりました。
「そうそう、正直でいいね」
・・・コホン。
さて、桃太郎は「鬼ヶ島に悪い鬼が住んでいて、人々を困らせている」という噂を耳にしました。好奇心旺盛な彼がジッとしている訳がありません。
桃太郎は家に飛んで帰り、
「お爺さん! お婆さん! 僕、鬼ヶ島へ鬼退治に行く!」
いきなり2人にこう言ったのでした。
当然、マクゴナガル婆さんは危ないからやめろと言いました。けど、ダンブルドア爺さんは
「ミネルバ、良いではないか。『かわいい子には旅をさせよ』と言うじゃろ? それに桃太郎や、鬼ヶ島には素晴らしい宝があるそうじゃ。その宝はとても美しいものでのう、手に入れた者に幸せをもたらすのじゃよ」
と、さも楽しそうに言いました。それを聞いて桃太郎は、ますます行く気満々になりました。
結局、マクゴナガル婆さんの希望とは真逆の結果になってしまいました。

翌日、いよいよ桃太郎が鬼ヶ島へ出発する日です。
「桃太郎、これを持って行きなさい」
マクゴナガル婆さんはカエルチョコがたくさん入った巾着を桃太郎に渡しました。
「え? カエルチョコ? 普通さぁ、これ黍団子じゃない?」
「仕方ないでしょう。私は黍団子なんか食べたことも見たことも無いんですから」
桃太郎の文句をマクゴナガル婆さんはキッパリと撥ね付けました。
「ま、ゲロ味のビーンズ入りよりはいっか」
桃太郎は大人しく巾着を受け取り、腰に付け、家を後にしました。
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