音楽の部屋

□とある日の暗殺一家
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少年の部屋にやってきたのは双子の弟だった。
「ジョーカー」
「ん、ジャックか。どうした?」
「ボス、息してない」
「はあ?」
目を点にしているジョーカーに、ジャックは淡々と報告する。
「さっき、ボスの部屋に仕事持って行った。ボス静かで動かない。変だと思って触ったら、息してない」
一見すると無表情だが、よく見ると目にはうっすらと涙がたまっている。
「落ち着けよジャック、俺も一緒に行くから」
両肩に手を置いて弟に言うと、ジャックはコクっとうなずいた。

ジャックの言う通り、仕事机に座っている自分達の上司は身動き一つしない。
「おい、ヴィル?」
ジョーカーは彼の肩を軽く叩いて呼びかけた。
・・・固い?
そっと仮面をめくって、ジョーカーは納得した。なるほど、これなら息はしないはずだ。
「・・・ジャック、安心しろ。これは人形だ」
言うと同時に仮面を剥がした。
「あ」
仮面の下にあったのは、等身大の木製デッサン人形。
「またやられたな。さ、バカニパン探しに行こうぜ」
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