薔薇の部屋

□黒翼の乙女と白銀の青年
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1.

広い屋敷の玄関口に、青年が1人佇んでいた。
彼の手中には「まきますか?まきませんか?」と書かれた手紙が入っていた。
「誰か近所の子の悪戯かな? だったら、かかってあげようかな」
彼は微笑むと、「まく」の欄にチェックを付けた。そしてそれを封筒に入れ直し、元通りに封をしてドアの前に置き、買い物へと出かけた。
帰宅した時、手紙は無かったので、「きっと、悪戯の張本人が持っていったんだな」と青年は推測し、深く考えなかった。
この後起きることも知らずに・・・。
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