音楽の部屋2

□ストーカー2
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魔王の城の客間で、城主と吸血鬼は向かい合って茶を啜る。
「なあユーリ、ちょっと聞きてぇことがあんだけど」
先に口を開いたのはヴィルヘルムだった。
「例のヴァンパイアハンターのことか?」
「ああ。ってかなんでわかった?」
「私もちょうどそれについて話そうと思っていてな」
「もしかしなくても、同じこと思ってないか?」
「かもな」
「じゃあ一斉に言うか? せーの」
ヴィルヘルムの合図で、二人は同時に口を開いた。
「「ガチ鞭が増えてないか?」」
二人の声も台詞も一言一句完璧にハモった。
「やーっぱり」
「こうやって話していると、来るのではないか?」
ユーリが言い終えると同時に、窓に迫る二つの影。
パリパリーン
「「覚悟しろ魔物共!!」」
「ほらな」
「ダブルで来たーーー!!」
窓を突き破って登場した話題の人物達に、片や苦い表情で紅茶を啜り、片や嫌悪感丸出しで叫ぶ。
「ヴァンパイアハンターのシモン・ベルモンド!」
「その先祖のラルフ・ベルモンド!」
「邪悪な貴様らも、今日こそ年貢の納め時!」
「覚悟しろ魔物共!」
鞭を構えてポーズを決めるヴァンパイアハンターズ。
「まったく、先祖もそろって・・・」
ユーリは細長く白い指先で眉間を押さえながら、憂鬱げな嘆息を吐く。
「♪ウザさ爆発、ベルモンズ〜♪ってか?」
ヴィルヘルムはどこぞのCMソングを口ずさみつつ、口角をピクピクと痙攣させている。
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