短編集SS
□血の契約
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もう、これ以上抗えない。
「っ…あ…」
一瞬の痛みと熱。
それが腕に襲いかかった。
直後、一筋の赤い線から滴る赤い雫。
ゆっくりと腕を伝い、床へと吸い込まれて行く。
「ご、ごめんなさい…」
濡れた瞳で見上げれば、彼は冷めた目で少女を見下していた。
「謝って済むと思ってるのか、シーラ。」
そっと顎をとらわれ上を向かされたシーラと呼ばれた少女は、涙に濡れた瞳でその男を見た。
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