短編集SS

□血の契約
1ページ/6ページ

もう、これ以上抗えない。



「っ…あ…」

一瞬の痛みと熱。
それが腕に襲いかかった。

直後、一筋の赤い線から滴る赤い雫。


ゆっくりと腕を伝い、床へと吸い込まれて行く。


「ご、ごめんなさい…」


濡れた瞳で見上げれば、彼は冷めた目で少女を見下していた。


「謝って済むと思ってるのか、シーラ。」


そっと顎をとらわれ上を向かされたシーラと呼ばれた少女は、涙に濡れた瞳でその男を見た。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ