短編集SS
□血の契約
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「い、いえ……」
滴る血もそのままに、目の前の主人をみる。
端正な顔立ちで中性的色気を醸し出すその頬から赤い血が滴っている。
「な、シーラ。分かるだろ?」
そう耳元で囁かれれば、もう抗う事など無に等しい。
「はい。」
長い睫が頬に影を落とす。
素直に返事をしたシーラへと、そっと手を伸ばした。
「っ…」
そっと胸元のリボンをほどかれ、慣れた手つきでボタンが外される。
上から3つのボタンを外し、襟を開いた主人をみてシーラはそっと目を閉じ身構えた。
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