homosexuality
□その唇を塞ぐ方法
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「…ひばりくん」
「なに」
彼の所有する応接室の机。
雲雀くんはそこでいつも仕事をしています。
今もずっと何かの書類とにらめっこをしています。
「あの、…時間かかりますか…」
「うん。今日中に終わらせないとね」
「そうですか、…」
どうしてでしょう。気まずくてたまりません。
ちらり、雲雀くんに目をやると、
「…」
緩やかに逆半円を描く唇。
触れれば果実の香りがしそうなほど桃花色に艶めいていて。
息を呑むほど美しい。
…というか何を考えているのでしょう僕は。
それもまあ思春期のせいだと言っておきましょうか。
胸の奥の心音が、不安定で崩れ落ちそうです。