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お礼小説は銀時・高杉夢/狂愛/十二支神役篇番外
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寒さが身に沁みる真冬。
雪はこんもりと積もり、外は一面銀世界。
それを見つめ、一つため息をつく。
「・・・っ」
冬の冷たさに先程引いたはずの頬の痛みがぶり返した。
叩いたのは・・・銀。
ーーー・・・何で他の男に笑うの?何で勝手にいなくなんの?なめてんの?
一言ごめんで済む事はない。
だから私は仲間に笑みを向けただけだと反論した。
ーーーふーん・・・仲間の俺が嫌だって言ってんのにそうするんだ?
ーーー・・・銀だけの要望をきくのは・・・難し・・・っ!
更に反論した。
いつも・・・それが無駄だとわかっているのに。
一度怒った銀を鎮めることのほうがよっぽど難しいのに。
バシッ・・・ーーーー!!!!!
風船が破裂するかのような音をたて、私の頬は真っ赤に染まり腫れた。
身体に教え込まれた”従順さ”は怯えを知り、彼の心を鎮めるように喘いだ。
これが本当に彼のためかなど、私にはわかるはずもなく、銀の求める”愛”を受け止めていた。
「また随分と派手なケガを負わされたもんだなァ」
いつの間にか背後に立つ銀世界に映える紫黒の髪の彼。
彼もまた心の内に溢れるばかりの狂気を持つ。
「誰が・・・なんて無粋なこたぁ聞かねェ。お前自ら、教えてくれるんだろ?」
「・・・・・・」
さも当たり前のように話す晋助は正しい。
私は・・・晋助に逆らえない。
「銀・・・」
頬を叩いた人物の名をあげれば一層深くなる妖艶な笑み。
間合いの無い距離まで詰め寄られた途端、ガッ!と勢い良く顎を掴まれ視線が重なると互いの唇は0センチだった。
くちゅりと唾液の交じり合う音をたて、目眩がする。
「っ・・・!!!」
全てを見透かすかのように悟り、晋助は私の舌を噛んだ。
鋭い痛みに身体が硬直する。
「傷は・・・俺の方が深いな」
銀よりも、誰よりも深く残る傷を残したがるのはもっともっと幼い時から変わらない。
「今晩お前がどちらへ来るのか・・・どちらを怒らせるのか・・・見ものだな。まァどちらであってもやることは変わらねぇが・・・なぁ・・・?」
口に広がる血の味は、まるで私を絡め取る甘い蜜のようで・・・ただ彼を見つめることしかできなかった。
そして必ずこの二人が最後に残す言葉は・・・ーーーー
「愛してる」
「愛してる」
真っ直ぐな愛は、”人でない”私には受け止めて傍観することしかできない。
銀・・・
晋助・・・
私も”愛してる”
・完・