色々な恋歌

□開けられない宝箱
1ページ/4ページ





…嫌な場面に遭遇してしまった。


『ずっと好きだったんです…。』


まさかマイセンが告白されているとこに遭遇するなんて…ついてないにも程がある。


『この子、ずっと貴方を見てたんですよ。』


しかし何故、女の子というのは団体で行動したがるんだろうか?
告白くらい一人ですれば良いものを…というか、相手に失礼だと私は思う。

一人で告白が出来ないくらいなら、しなければ良い。所詮その程度という事だろうから。

まぁ、私が可愛らしい女の子の心理などを批判しても仕方ない。
それよりも今はさっさとこの場を離れるべきだ。


『あー…サンキュ。気持ち嬉しいぜ。』


背にした場所から聞こえる声に反応して足を止めてしまった私は馬鹿かもしれない。

マイセンは満更でもないんだろう、普段あれだけモテたいと豪語しているのだから当然だ。

ミハエルがいる限りマイセンがモテるなんて有り得ないと思っていた自分を嘲笑いたくなる。

人の好みなんて分からないものだ。
そう…私のような物好きもいる。

あぁ、馬鹿らしい!
何も見なかった事にして去るのが1番よ、心の平穏の為に。


『ごめんな、付き合う事は出来ないんだ。』


…うん、私は馬鹿決定ね。
思わずまた足が止まってしまったわ。

でも、凄く意外だったんだから仕方ないじゃないっ。
あのマイセンが断るなんて思いもしなかった。




.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ