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□恩返しと罪滅ぼし
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拝啓 松陽先生




お元気ですか。私は元気ですよ、当たり前じゃないですか。


そっちに夏はありますかね。こっちは暑くてたまらないです。


あなたがいなくなって、もうどれほど経ちますかね。


私たちは背も伸びて、あのときよりずっと大人になったような気がします。


あなたをしのんで泣くことも減り、あの頃は毎日のようにしていた喧嘩も今じゃ週に一回に減りました。

























心はこんなにあなたの帰りを待っているのに。







「ねぇ、晋。・・・・」

「・・・・・どうした」







晋との仲をそっと取り持ってくれましたね。

恩返しに、幸せに二人で暮らしたいけれど、








「どこいくのよ・・・・」

「なにがだ。」

「だから、どこ行くのって言ってんの!」

「祭りだ。」

「っまさか、晋・・・」

「今日はでっけぇ花火が上がるぜェ、奇麗な














    紅いのがなァ  」










所詮私に、

猟奇的な目をしたこの男を、止めることなどできないのです。




だからせめて、









「・・・・晋、」

「どぉした、お前も見物に行くか?」

「その計画が終わった後さ、」





















恩返しと罪滅ぼし
(『あのひと』のお墓に行こう?)
((せめて、あなたの前で懺悔を))






盆が近づくと、晋助は月を見るたびくるしそうです。









09/17/26
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