『海と狐』

□**大人になる方法**
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 「俺は俺のままでいいって事だよね?」 

抱きつきながらイルカの顔を覗きこむ。ありのままの自分を受け止めてくれるこの人がいれば、自分は何を言われても平気だとナルトは思った。

 「当たり前だ。誰かに子供っぽいって言われても、俺はそんな子供っぽいナルトが好きだよ。」

恥ずかしそうに鼻の傷を掻きながらナルトに告げる。

 「俺もそんなイルカ先生が大好きだってばよ。」

照れてるイルカをおかしく思いながら、両手を伸ばして頬を挟み鼻の一文字傷にチュッ。とキスをした。
ニシシと、今度は自分が照れながら笑う。

 「お腹すいたから、一楽行こう!」

イルカから離れ、玄関の方にナルトは向かっていった。



 二人は夕暮れに赤く染まった道を、楽しそうに手をつなぎながらお目当ての店まで歩いた。

こんな毎日が大好きで、いつまでも続いて欲しい。
自分が大人になったら、きっと任務だとかで一緒に過ごす時間が少なくなっていくんだろうな…。

ナルトは隣を歩くイルカを見つめた。
視線に気づいたイルカは、優しい笑顔を向けてくれる。

焦らないでゆっくり大人になろう。
今は、この時間を大切にしよう。
いつか、大人になってもイルカ先生の隣には自分がいたらいいな。
今日のこの時みたいに、笑って歩けたらいいな。
この道を。

           −END−
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