school ss

□無駄鳴り
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目覚まし代わりにしている携帯からけたたましいコール音。
ディスプレイにはデジタル時計の午前二時と呼び慣れた名前。
…なにごと。



「もとなりこんな時間になに、」



ブツッツーツーツー。
今通話ボタン押した瞬間に切られましたよね。

呆気にとられてそのまま携帯を見つめているとまた着信。



「もとなりいま夜中なんですけ、」



ブツッツーツーツー。
絶対通話ボタン押した瞬間に切られましたよね。

嫌がらせ?
寝かせないとかそーゆーやつ?(いやらしい意味ではない)
俺そんな恨まれるようなことしましたっけ?

じ、っと携帯を見つめていると、一体何がしたいのか、再度着信。



「だからもとなり用件言えよ用件を。」

『………眠い、』

「…は?」

『のだが、眠れない。』

「…で?」

『貴様が気持ちよく寝ている姿を想像したら腹が立ったのだ。』

「…それだけか?」

『この時間にそれ以外、どんな理由が必要なんだ?』



ま、どうせ俺ってこういうポジションですよね。
そしてこの仕打ちを許してしまう神様のような優しいキャラですよね。
報われないまま流されてますよね。

電話の相手に俺を選ぶあたりは、うん、それで当たってるけど。



「おまえ、明日起こせよ。」

『…六時に叩き起こしてやる。』



ブツッツーツーツー。

俺の睡眠時間、残り三時間四十四分。
間違いなく明日の一限目は寝る、机に突っ伏して寝る。

もぞっと布団の中で寝返りをうって、意識とさよなら。



END.



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