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□ホットミルク
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暗い夜の途中



ホットミルク




月も見えない夜の途中で、目覚めたあたしはひとりぼっちだった。
いつも貴方と寝ていたベッドの隅で丸くなって、貴方を想うと眠れなくなったあたしは、夜をさ迷う迷子になった。

あたしの夢の中では貴方はそばにいて、優しく愛してくれるの。
夢の中の貴方に「それはなぜ?」って聞いた途端目が覚めちゃうの。

貴方の一番大切なもの。
それは、あたしじゃないのが悲しくなるけど、
貴方の一番大切なもの。
あたしが一番知ってるはずでしょう…?

そんな小さな確信を、あたしは手のひらに握りしめてる。
貴方から唯一貰ったお気に入りの指輪がぎゅっと痛いほど、強く。

あたしの一番大切な人。
貴方をずっと近くに感じていたいから。

眠れない夜。
貴方も隣にはいない。

「ホットミルクでも作って飲もうかな…?」





END
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