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□葵翔学園
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「そう言えば馨さん、着替えたらそっちに行くって…」
思い出したかのように口を開くと"遅れちゃいますよ?"と付け足して馨に問い掛けた。
「あぁ…どうでもいいや…」
明らかに面倒臭そうな表情を見せて答えると琴世の首元に顔を埋めた
「……っ…」
まだ濡れていた髪の冷たさに思わず眉間に皺を寄せる琴世
「感じた?」
「違いますよ。髪の毛乾かして下さい。冷たいです。」
意地悪な笑みを向ける馨に少し冷たく言うとヒョイと膝からおりて一言
「部屋片付けてきます」
スタスタと一人自室に入り込んだ
「怒っ…………た…?」
何故かいきなり冷たい接し方に流石の馨も気になり後ろをついて行き琴世の部屋にはいる
「琴世?怒った?からかいすぎたなら謝るからさ。」
「怒ってないです!」
「怒ってんじゃん…俺が人に謝るなんて5年に一度だぜ?」
「そりゃどうも。」
「琴世…折角…チョコ買ってやろうと思ったのに…」
なかなか根が折れない琴世にどうするものかと悩み
明らかに男とは思えない琴世の部屋に一か八かで悲しそうに呟く
馨の心の内(さぁ…どうくる!)←
「ちょっ……し……仕方ないですね…今回だけですよ?で、でも別にチョコにつられた訳じゃないですからね?」
チョコと言う響きに一気に表情を変えて言い訳のように付け足してにへらと馨に笑いかけた
「あ…でも一応チョコは買ってもらいますから!」