ネクター
□日常編
3ページ/30ページ
球技大会を見に行かなかった。
いや、だってね。沢田君がいるから…。
久那はあれ以来、彼と話していない。
できるならもう話したくなし、関わりたくないと思った。
そんな彼女の前に一人の家庭教師が現れた。
「ちゃおっス」
二足歩行で、丸い黒眼をした、黄色いおしゃぶりを下げている、黒いスーツを着た赤ん坊。
そんな彼を見て一言。
「かわいいー」
久那は思わずしゃがみこんで赤ん坊を見る。
「オレはリボーン、イタリアからやってきた」
「イタリア?そんな遠くから何しにきたの?」
リボーンの言うことを冗談だと受け取っている久那。
かわいいなぁと思いながら、何故赤ん坊が学校にいるんだろう?という疑問がわく。
「オレは沢田綱吉の家庭教師をしに来たんだ」
「!!」
「お前、ツナの本性を知ってるんだろ?」
リボーンはそのことをツナから直接聞いたわけではない。
ただこの数日二人を見ていて長年の殺し屋としての勘がそう訴えたのだ。
ツナは意識的に彼女を見ては観察し、久那はその目と自分の目を合わせぬように必死に避けていた。
この二人、何かあるな。
では、何があるのか。
ごく平凡なクラスメイトをツナが何故観察をする?
そして何故久那は学校で弱いダメツナを避けようとする?
二つを考えれば簡単に答えにたどり着けた。
現に久那は固まってしまった。
「り、リボーン君も沢田君に脅されているの!?」
「オレはダメツナなんかに脅されねーぞ」