カルヴァドス1
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知っている。
何度も読んだ。
強くなっていくキミ。
それでも優しい心を持ち続けた。
悪く言えば人に流されやすい、気が弱い、優柔不断。
だけど、そんなキミが好きだった。
成長するキミ
そして周りにはその仲間たち。
現実ではあり得ない非日常の連続。
時には危ない戦いもあった。
それでも最後には笑うキミの物語を読み続けた。
応援し続けた。
誰よりもキミを。
できることなら会いたい。
そんなことまで思ってしまうほどに。
恋愛とかそういうものではなく、人としてキミに会いたかった。
「……え」
だから驚いた。
目が覚めた時、そこは自分の部屋ではなかったことに。
自分のいる部屋、外、そして人達に。
キミのいる世界に来た自分に、驚くしかなかった。