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□愛しい君の、隠れた涙
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「…なぁ、俺が浮気しとったらどないする?」


情事後の朝、差し込む光に目を細める光に、ふと思ったことを聞いてみた。



「…浮気しとったんスか。ほなお世話になりました、さいなら」


「Σちょ…そんなんちゃう!!!なんとなくやなんとなく!!!」


「…泣く。」


「え…」


「とか言ってほしいんスか?言うわけないやん。謙也さんの阿呆。」


「あぁ…せやな…ι」



せや…
光がそんなこと言うわけないやんな…



…まぁえぇわ…
俺はそんな光が好きなんやし…


「ま、まぁ光がそんなん言うわけないやんな…変なこと言って堪忍。」


「…」


「…光?」


けだるい身体を起こして隣の光に目を向ける。


「…っ」


「…え、ちょ、ひかる?」


俺に向けた背は小さく、男にしては狭い肩幅をさらに狭くしてかたかたと震えていた。


「っ…謙也さんの、ドアホっ」


「か、堪忍っ!」


「冗談でも…そんなこと言わんでくださいよ…っ」


「ごめん、ごめんな光…泣かんで…」


愛しい背中をそっと抱きしめると光はこっちを向いて俺に抱き着いてきた。


「嫌、謙也さん…浮気なんて、嫌です…」


「うん…ごめんな光、浮気なんてしてへんから」


俺には光だけやから、そう囁くと光は安心したように微笑んだ。


愛しい人
(君だけは、泣かせたくない)
 

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