Novel

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ぽつぽつと静かで優しい雨粒が頬を濡らす。
不意に、隣にいる愛しいひとの横顔を見つめると、それに気が付いたのかトシは頬をほんのりと高潮させた。

「誰待ってるのォ?」

クスクス笑いながら愛しい部下に笑いかける。

「近藤さんこそ誰を待ってんだよ?」

「…ん、誰だろうねえ?」

「また…道場ンとこの女か?」

トシはタバコに火をつけ、ふぅと溜め息と共に煙を吐き出す。

「誰だろう?」

わかんないや、とニマニマしながら土方の肩を寄せる。雨で冷えた二人の身体が急に熱を持ち胸の鼓動が早まった。

「なっ…馬鹿、かよ?」

目を見開き顔をそらすものの、嫌がる素振りはせず厚く男らしい胸元に顔を寄せた。

「トシはノンケなんだもん。モテるし。」

土方はククッと怪しく笑い、無理矢理唇を奪った。

「んっ…は、ぁ」

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