Novel
□Like or love
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ぽつぽつと静かで優しい雨粒が頬を濡らす。
不意に、隣にいる愛しいひとの横顔を見つめると、それに気が付いたのかトシは頬をほんのりと高潮させた。
「誰待ってるのォ?」
クスクス笑いながら愛しい部下に笑いかける。
「近藤さんこそ誰を待ってんだよ?」
「…ん、誰だろうねえ?」
「また…道場ンとこの女か?」
トシはタバコに火をつけ、ふぅと溜め息と共に煙を吐き出す。
「誰だろう?」
わかんないや、とニマニマしながら土方の肩を寄せる。雨で冷えた二人の身体が急に熱を持ち胸の鼓動が早まった。
「なっ…馬鹿、かよ?」
目を見開き顔をそらすものの、嫌がる素振りはせず厚く男らしい胸元に顔を寄せた。
「トシはノンケなんだもん。モテるし。」
土方はククッと怪しく笑い、無理矢理唇を奪った。
「んっ…は、ぁ」