World-X ワールドクロス

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来火


「疲れたとき、考え事をしたいときはよく高いところに登って夕焼けや星空を見る、
こうするとすごく落ち着くんだ、
何年たっても、変わらないものを認識できるから」

「……ごめん、俺は口下手だからうまく伝えられるかどうか分からない、
……でも、これだけは伝えたい、口を挟まないで聞いてくれるか?」

「……自分のことを完璧な人形だと思っているなら言ってやるよ、
人の温もりを知った人形は、もう二度と“完璧な人形”には戻れない」

「自分のことを……人形って言っていいのは、
“人”として生きることを……“陽だまり”の中で生きることを諦めた……いや、それから逃げ出した奴だけだ」

「無駄話をする気はない」

「俺は…消えるわけには……いかない。
まだ……あいつらを助けるまでは!」

「“生きたい”?……そんな立派な考え俺が持つ訳ないだろ」

「俺が消えても、大切な人が無事ならそれでいい、
今も昔も……俺の“幸せ”はそれだけだ」

「悪気しかないよなお前!!」

「俺には、何かを感じる心がない」

「ハハ……ダメな“お姉ちゃん”だな、俺は……」

「“約束”したから。俺が戦う理由はそれだけで十分だ」

「それでも……“ライヴィス”は救われた」

「「ありがとう」」



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